
部室PCの更新&組み立て大会
更新の必要性
2025 年 10 月 14 日、Windows 10 の延長サポートが終了する。10 が最後の Windows だと聞かされてきた我々一般市民は、まさしく阿鼻叫喚の様相を示している。
Windows 10、Windows 8.1、Windows 7 のサポート終了 | Microsoft Windows
世間に疎い者が少なくない我々 NITMic も、今回ばかりはこの話題と無縁ではなかった。
部室にあるデスクトップ PC が計 6 台。
このうち 4 台が、最新 OS である Windows 11 に対応していないのである。
Core i7-6700K などは、Windows 11 でも申し分なく動くスペックを有していると誰もが思っているが、残念ながら公式にサポートされないので、大学のネットワーク内で Windows PC として使い続けることは避けねばならない。無念。
ここまで PC 環境の更新が滞っていた原因はいくつかあるが、最たる理由はやはり、多くの学生が自前で PC を持つようになったことであろう。
十数年前には、部室 PC がフル稼働すると電力が足りなくなる、などという話もあったそうだ。 更に遡ると、昔の NITMic の写真には、PC-9801 シリーズと思しき複数台のコンピュータをフル稼働させている部員の姿が写っている。
この頃の部員たちは、学生全員がそれなりのスペックの PC を所有するようになるなどと、想像できていたのだろうか。 いや、案外想像できていたのかもしれない。我々は常に先進的集団である。 とにかく、現在部室 PC は、弊学の学祭「工大祭」のときのゲームの展示か、たまにデバッグに使われる程度なのである。 部室 PC を使ったことがない部員もいるそうだ。
このような状況では当然、部室 PC の更新は滞る。我々は、PC の新調と部室 PC を利用しやすい環境の整備、その 2 つが求められていた。 本記事では PC 新調について書き連ねていく。整備の話はまたこんど。
更新計画
まず部長命令により、数名の部員が PC 更新計画を練り始めた。 昔は部費のうち何割かが「PC 用積立基金」として貯金されていたらしいが、コロナ禍以降の我々はその積立を行っていない。 与えられた予算はあまり多くなく、その中で 2 台のパソコンを新調しなければならない。
熟考の末、完全な新品 PC1 台と、中古と部室の在庫を組み合せた PC1 台を新調する、という結論に至った。 また、ついでに既存のマシンの主記憶装置(メモリ)の容量も増やすことになった。
大須万松寺通の一角へ
9 月 17 日(水)。3 名の部員が、大須商店街のある場所に集合した。
名古屋市中区大須・万松寺通の北側には、ドスパラ、TSUKUMO、パソコン工房など、いわゆる「パソコンやさん」が複数立ち並ぶ。 同時に、中古 PC ショップや電子部品店、無線専門店、オーディオ専門店など、様々な種類の電化製品の店が、整然と並んだビルの中に雑然と構えられている。 聞くところによれば、一昔前は今の倍以上の数のそういう店があったのだとか。 筆者も、もっと若いうちから足を運んでおけばよかったなどと、たびたび後悔する。
大須商店街は我々にとって、楽しい商店街であり、同時に「電気街」という名の命綱なのだ。 関東の民がアキバのラジ館に憧れるように、我々東海の民は大須のアメ横に憧れるのだ。
事前の価格調査の甲斐あって、「パソコンやさん」たちから難なく目当てのパーツ類を入手。 筆者が若い頃はいつ行っても大抵、パソコンパーツを同じ店で一度に多く買うと割引、といった感じであったと記憶している。
しかし時代は変わってしまった。PC ショップをハシゴしてバラバラに買うのが財政的に最も良いという結論に至ってしまった。 部活のみんなから集めた部費を使うゆえ致し方ないが、やはり気持ちとしては一度にドカンと大金とパソコン部品を交換したい。
そこそこ多い荷物量になり、手分けして部室まで運んだ。
なお、このときの移動には地下鉄を利用した。さすがコンピュータ倶楽部、陽のあたる場所は苦手である。
組み立て会@部室
興味がある方は予定空けといてくださいませ。(ただ組み立てるだけだからそんな面白くないと思われる)
という文言で告知をしたのだが、買い出し組を待っていた人数を合わせ、部室には 10 名ほどの部員が集まった。 せっかくなので、自作 PC 初学者に組み立て作業をしてもらい、自作 PC 経験者がそれを見守る、という会にしてみた。
自作 PC は特に難しくはない。決められた場所に、決められたとおりにパーツ、あるいはケーブルコネクタを刺していくだけの作業である。
最小構成チェック
マザーボード、CPU、メモリ、GPU と、最低限のパーツだけ挿してから、電源を取り付け、起動確認を行う。自作 PC では必須の第一歩だ。
さて、今回は Intel 社の CPU を選択したわけだが、発熱量が大きい製品ではないため、付属の CPU クーラーを使用することにした。
自作 PC 勢と呼ばれる人種には敵がいる。その一つがこれ、プッシュピンタイプの CPU クーラーだ。 取り付けも取り外しも手間がかかる。しかし、自作 PC をする以上、この方式から逃れることもまた難しい。
Intel 様におかれましては、リテールクーラーをプッシュピンタイプではないネジ止め方式に変えてください。 あなたがプッシュピンタイプを採用し続けるせいで、このあと部員の子が取り付けの甘いまま Windows のインストールを始めましたよ。(熱暴走して電源が落ちた)
クーラーの取り付けに苦戦したり GPU と CPU の補助電源の 8 ピン端子を間違えたりしながらも、といいつつもさほど時間もかからず、最小構成の起動確認を終えた。 筆者が初めて PC を自作したときはもっと苦戦していた覚えがある。皆、優秀である。
ケースに取り付け!
解体した PC から流用したケースが存外質の良い製品であり、各パーツのネジ止めは難なく終わった。 安物ケースではネジ位置がズレていたりするため、これは特に初学者たちにとって幸運であった。
だが、ここからが真に苦難の道である。電源と I/O ピンの配線だ。 組み立て担当者には一旦、マザーボードの説明書だけ見て配線を行ってもらったが、予想通りというべきか、やはり「これどこに刺すんだよ」の連続であった。
特にファンの配線は、ケースファンの数が多く分岐コネクタが元々取り付けられており、自作経験者たちも正しい配線を見つけるのに少し手間取った。
組み立てが終了し、Windows 11 のインストールも完了。 今までの部室 PC より若干快適になった。 というのも、ゲームや CG レンダリング、動画エンコードなど、性能をフルに引き出すような作業をしなければ、今までの部室 PC と使用感がさほど変わらないのである。
だが我々はコンピュータ倶楽部。Unity や Blender を始めとしたソフトウェアが今までより大幅に快適な動作となり、更新して助かったとのお声をいくつも頂いた。やりがいがあるというものである。
おわりに
中古で組んだもう 1 台に関してもセットアップを既に終えた。 これからは 4 台体制で工大祭に臨む。
コンピュータのパーツ構成を知ることは、コンピュータへの理解を深めるための最初の一歩だ。 部員各位には、「コンピュータ倶楽部」部員として、よりコンピュータに関する見識を深めていって欲しいと願う。





